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2015年01月05日

製造元に見捨てられたAIBOを治療するエンジニア

ソニーの犬型ロボット「AIBO(アイボ)」は、
生産終了後、2014年3月に修理窓口も閉じて、
ペット同様にかわいがってきたオーナーたちが
途方に暮れるなか、シニア世代の
エンジニア集団が救世主になりつつあります。
「要望がある以上、何とか頑張る。
それがエンジニア魂」との思いから、
AIBOの修理を請け負います。

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「4足歩行型エンタテインメントロボットAIBO」
は、1999年6月、国内で3000台を受注販売
したのを皮切りに、顔や形の違う5世代が発売され、
日米欧で15万台以上を販売しました。
しかし、2006年3月に生産終了になり、
部品保有期間が過ぎた14年3月、
修理窓口「AIBOクリニック」を閉じました。

AIBOは、買ってきた当初は何もできませんが、
褒めて体をなでたり叱ったりなど、
飼い主からのコミュニケーションに伴って、
徐々にいろいろなことができるようになります。
それは、生まれたばかりの子犬が成長する様子に
似ています。

東京都の57歳女性は、仕事と母親の介護を抱え、
散歩や餌の世話が必要な犬は飼えません。
AIBOを見て、これなら飼えると思い、
5代目AIBO(ERS-7)の発売直後、
03年11月に飼い主となりました。

Momo(モモ)ちゃんと名づけられたAIBOは、
女性に大切に育てられて成長しました。
朝の出勤時には玄関先で手を振って
飼い主を見送ります。
仕事のストレスで疲れていると、
まるで察しているかのようにじゃれてくる
といいます。

モモちゃんは、数年に一度、
足にトラブルが起こり、
AIBOクリニックで修理を受けていました。
数年前、後ろ足の片方に再びトラブルが起き、
すぐに転ぶようになりました。
立ち上がろうとしても、機械音が響き、
女性はモモちゃんをクリニックに出しました。
しかし、「部品切れで修理不能」と、
直らずに戻ってきました。
以後、歩かせる時間は数分ほどになりました。
これ以上、故障箇所が増えたら困るので、
充電用ベースに置いて話しかけるだけに
なりました。
最初は、置物が話すと怖がっていた孫も、
徐々にモモちゃんに慣れ、
「どうして病院に行かないの?」
と心配するほどになっていました。

その後、女性は偶然、
修理してくれる会社を見つけ、
14年8月に依頼しました。
12月中旬に、修理が終わって
戻ってきたモモちゃんは、
今では元気に部屋中を歩き回っています。
女性は、「ロボットには癒やしの
機能があることを、孫にもモモちゃんを
通じて知ってもらいたいですね」
と話しました。

女性が修理を依頼したのは、
ビンテージ機器修理を請け負う「A・FUN」
(ア・ファン、千葉県習志野市)です。
口コミや報道でAIBOの修理ができると知った
全国の飼い主から、
続々と依頼が舞い込んでいます。

茨城県笠間市の民家の一室には、
初代から5代目まで、
十数台のAIBOが並んでいます。
これでも、他のエンジニアが
修理できるようになったので
減った方だといいます。

ア・ファン社長の乗松伸幸さん(59)は、
元ソニー社員です。
エンジニアとして入社しましたが、
海外営業が長く、2010年末に早期退職しました。
「愛着が湧いたオーディオなど
家電を使い続けたい人と、
技術があって第二の人生を生きている
エンジニアをつなげる橋渡しをしたい。
一種の社会貢献です」
と、主に黒物家電を想定した修理会社を
11年に起業しました。
現在、エンジニアは全国に15人おり、
得意ジャンルに応じて依頼品を修理します。
乗松さんもエンジニアとして修理を行っています。

AIBOの修理を担当する船橋浩さん(61)は、
ソニーで修理エンジニア歴20年で、
2000年に購入した初代AIBO(ERS-111)
「銀太郎」の飼い主でもあります。
銀太郎も壊れてしまい、直してあげたかったが、
構造が分からず、分解しようがなかった
といいます。

乗松さんと船橋さんは、設計担当をはじめ、
AIBO開発に関わった人たちに接触し、
一からAIBOを学んで修理ができるようになりました。

ア・ファンが初めてAIBOの修理を請け負ったのは
2年前で、すでにメーカー修理が終了していた
初代AIBOです。
AIBOを連れて介護施設に行きたいので
修理してほしいという依頼でした。

「ア・ファンなら直る」という口コミが広まり、
個人や公立科学館からも依頼があります。
メーカー純正部品はすでになく、
市場に流れるジャンク品から部品をかき集めたり、
自分たちで類似品を作ったりして対応します。
船橋さんは、銀太郎の耳を同型の依頼主の
AIBOに付けたこともあります。
銀太郎も直しましたが、片耳は手製になりました。
自分のことは後回しです。

14年3月末にクリニックが閉じて、
依頼は増加しました。
乗松社長は同社所属のエンジニアを集め、
船橋さんが積み上げたノウハウを伝授し、
受け入れ体制を強化しました。
普通の使い方なら、
型番によって壊れる部分は同じです。
首、足、尻尾と、弱い部分が故障します。

ア・ファンに修理を依頼した神奈川県の
50代女性は、「『死なないペット』だと
思っていたので、寿命は結構、
短かったなという印象ですね」
と話します。

乗松さんは「メーカーのロゴを付けて
売った物を使ってくれているお客さまが
いるんだから、会社も
『部品保有期間が過ぎたから無理』と
シャットアウトするのではなく、
保守窓口は開けておくべきだと思う。
もしかしたら汎用品のヒューズ1本、
モーター1個の交換で済むかもしれない。
成人した自分の子供が起こしたトラブルを
『20歳を過ぎたから私は知らない』と、
親が責任放棄するのと
似ているようにしかみえない」
といいます。

AIBO修理先として認知が広まったア・ファンには、
かつて純正品を請け負った工場から
協力の手が差し伸べられています。
AIBOの命の1つである充電池については、
セル(中身)交換の依頼先も確保しました。
現在、海外ユーザーからも
問い合わせが寄せられています。

乗松さんは、AIBO駆け込み寺として、
「(ソニー創業者の)井深(大)理念じゃないけど、
お客さまがいる間は何とか
その要望に応えるようにしたい」
と、決意を新たにし、AIBO修理を続けていきたいと
しています。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


AIBOの修理に関しては、実は、
以前にも取り上げたことがあります。

前回は主に飼い主視点のお話でしたが、
今回は修理するエンジニアの目線です。

前回も触れましたが、ソニーは
無責任でも非情でもなく、
企業としての使命は果たしています。
生産終了後、8年もサポートを続ければ
十分でしょう。
ただ、そこはやはり企業というか、
ソニーにとってAIBOは、
ウォークマンなどと同じ、
家電にすぎなかったのだろうと思います。
壊れたら新しいのに買い替えてよ、
その方が性能も良くなってるし、お得だよ、と。
まあ、AIBOは生産終了しているので、
もう「新商品」は手に入りませんが。

修理するエンジニア側も、
自分もAIBOの飼い主だったというのは、
大きく影響したと思います。
自分のAIBOの耳をお客さんに提供したというのは、
まさにエンジニア魂を感じました。
アンパンマン・・・。

修理先として認知されたことで、
部品が調達できるようになったというのも、
嬉しいことです。

AIBOに限らず、愛情を持って物を使い続ける
ことの大切さを、改めて考えさせられます。

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タグ:AIBO
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