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2017年05月14日

ふるさと納税返礼品をやめたら寄付ゼロに

埼玉県所沢市は、4月から、2年続けた「ふるさと納税」の返礼品をやめました。
昨年は、同時期に23件231万円あった寄付が、今年はゼロ(12日現在)になりました。
それでも、藤本正人市長(55)は「決断して良かった」と言います。

西武プリンスドーム

返礼品をやめた理由は、「どこの返礼品をもらおうか」とか、テレビ番組の返礼品特集とか、理念と違うからです。
自治体がほかとの差別化を意識し、終わりなきレースになっています。
しかも、参加したら最後、闘い続けなければなりません。
とすれば、降りるしかないというのが、今回の決断でした。

レースを続ける体力はあります。
所沢市は、山岳テントや天体望遠鏡、ファッション性のあるイヤホン、ローストビーフ、遊園地のチケットなど、地産の商品やモノはたくさんあります。
しかし、これらをレースに使うあり方が、本来の理念からかけ離れているのです。

本来は、自分を育ててくれた、お世話になった場所に、感謝や応援をする趣旨だったはずです。
それを、モノで釣って、よその自治体に納められるはずだった税金を、自治体間で奪い合う始末です。
納税者も、モノを得ることに夢中になっています。
他の自治体から奪う必要はなく、救われるべき弱小自治体にふるさと納税されれば、それで構わないのです。

そもそも、納税とは、民主主義社会への「参加ケン」です。

教育や介護などの福祉、インフラをみんなで支えあうという、民主主義社会をつくる資本が、税金です。
納税は、その「参加権」であり「参加券」です。
今のふるさと納税は、その理念と離れています。
その参加権と参加券を出し合ってこその民主主義社会ではないかと思います。

税は、累進課税が原則です。
ふるさと納税は、お金持ちほど見返りが大きい構図になっています。
誤解を恐れずに言えば、きちんと所沢市に納税すべき人ほど、おいしいモノが得られるのです。

所沢市の2016年度の納税実態は、よその自治体に行った額は、約1億7000万円、よその自治体から来た額は、約3700万円です。
しかも、その4割は、返礼品に消えました。

所沢市の福祉や教育に使われただろう税金が、返礼品になり、すべて、モノ(物)として消費されたということです。
行政で大切なのは、市民へのモノではなくコト(事)です。

「コト」とは、自分たちが住む街の未来を拓(ひら)く施策のことで、所沢市の場合は、緑の保全、教育の充実、子どものための施策や文化振興策です。
首長にも、市職員にも、市民のためのコトの実現こそが大切です。
返礼品返上議論は、民主的なふるさとづくりという本来の視点を、市長の私に深く考えさせました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


私も、ふるさと納税のシステムは、何かオカシイ、趣旨が違うのではないかと思っていましたが、その理由を、この方が、全て端的に代弁して下さいましたので、私からは、これ以上、申し上げることは何もありません。
まったくもって、その通りです。

ちなみに、所沢市は、トトロの森のモデルでもありますので、そっち方面でのPRも、可能といえば可能でしょう。

クロスケの家
20:34 | 経済ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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