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2017年09月29日

「バルス」なぜ日本だけ盛り上がる

ジブリ映画の名作「天空の城ラピュタ」で、クライマックスに、主人公たちが、「バルス」という呪文を叫びます。
日本では、テレビ放送中に、タイミングを合わせて、ツイッターで同時につぶやく「バルス現象」が、いまや定着しつつあります。
テレビを見て、視聴者が同時につぶやくというこの行動に、2011年放送の際は、Twitter社のエンジニアから「サイバー攻撃が起こったのでは?」と、騒ぎが起こったといいます。
この現象は、日本ならではです。

「バルス現象」がツイッターで大きく盛り上がり始めたのは、2011年12月の、日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』での放送時です。
この時、1秒間に世界中でツイートが発生した数TPS(tweets per second)が、2万5088という、世界新記録を更新しました。
日本からの投稿が圧倒的に多かったことから、『バルス』に起因していることは明らかです。
それまでは、例えば、2011年3月の東日本大地震では5530ツイート、2011年7月のなでしこJAPANの優勝では7916ツイート、2011年8月に米・歌手のビヨンセ妊娠では8868ツイートと比べると、桁違いの数字を残しました。

一部では「『バルス現象』にそなえてツイッターがサーバーを強化している?」という説もささやかれていますが、Twitter社は「『バルス』のために強化しているわけではないですが(笑)。2011年の段階で桁が一つあがったことでニューイヤーの対策もしっかりしようと、2012年にサーバーを入れ替えるタイミングだったので、同じような波が来ても落ちないようにしなければ、という話はありました」と、対策のひとつのきっかけになったといいます。

では、この現象はなぜ、ここまで広がりをみせたのでしょうか。
日本では、2011年の東日本大震災以降に、ツイッターを開始した人が多いことが挙げられます。
そこで、ユーザーの母数が変わったのではないかと思われます。
「2ちゃんねる」でのイベントが、ツイッター上でも行われた、2009年の放送でも、バルス祭は行われていたようですが、当時の利用者数は、あまり多くなく、マスになってきたのが、この年からなのではないでしょうか。

他のつぶやきで言えば、日本人だけが、1月1日0時ジャストに「あけましておめでとう」と言いたがります。
その瞬間を共有したいという国民性もあるのかもしれません。
他国でも、テレビを見ながらつぶやくという文化は、なくはありません。
しかし、チャンネル数が多く、国内に時差があったりと、日本のように、みんなが地上波を見ている国もあまりありません。
また、日本では、一人が一日でツイートする数が多いことや、若年層の利用者も多いことなどの、条件がそろっています。
ちなみに、2015年は、同枠で放送された「サマーウォーズ」の名セリフ「よろしくお願いしまぁぁぁす」も、その年のTPS1位を叩き出しました。

その後の放送では、2013年の放送時に、TPS14万3199ツイートにまで拡大しました。
この時、2011年の世界新記録を、再び「バルス」が塗り替えました。
そこで、日本テレビ側は、2016年には、「バルス時刻予想」や、デジタル放送の画面が崩壊するなど、積極的なデジタル企画を用意しました。
しかしこれには、一部のユーザーから、批判が起こりました。
2016年の場合は、新しく参加した人は盛り上がっていましたが、2ちゃんねる世代からは、企業や公式が入ると、
これまでやってきたのと違うものになってしまうという声もあり、温度差感が激しかったのです。

日本では、他の国より、ツイッターが楽しく使われていることが多く、「バルス」は典型的な例です。
しかし、このブームは、あくまで、視聴者側から自然発生的にはじまったからこそ、ここまで盛り上がったのではないでしょうか。
これに、どこまで公式が乗っかっていくのか、それには、ツイッター側も、日本テレビ側も、毎度悩んでいるといいます。
しかし、今後はネット、なかでも、リアルタイム視聴と結びつきの強い、ツイッターを活用しての企画は、ますます必須になってくるでしょう。

日本テレビの谷生プロデューサーは「前回はジブリさんのご了承もいただき、そういうご批判があることは承知の上で、リアルタイムで楽しんでいただくプラスアルファとして実行しました。結果、ご批判をいただきましたが、好評な意見も多くいただけました。少なくとも、2013年を超える規模で広げることができたとポジティブに捉えています。しかし我々も毎回違うデジタル展開をしようということで今回は別の企画を用意しています」と説明します。
きょう29日に放送される「天空の城ラピュタ」(後9:00)では、前週の「崖の上のポニョ」では100万回以上の参加があった新企画「みんなで選ぶ!好きなシーンランキング」を実施しています。

デジタル企画については、毎回、試行錯誤を重ねており、「常にツイッターさんのことは意識しています。リアルタイム視聴が今のテレビ業界でひとつの指標となるなかでプラスアルファをつけないと映画放送は終わってしまう。リアルタイムに一番なじみがあるのはやはりツイッター」と重要視しています。
「DVD、BD持っているという方がいらっしゃるなかでそれでも何度も放送されている映画を観てくださるのは、やっぱりみんなで盛り上がりたい、『バルス!』ってその瞬間に言いたいわけですから、リアルタイムで観ていただく楽しさの創出になっている。それを続ければ金曜ロードショーは続けていけるのでは」と力を込めます。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


今日は「バルス」の日(笑)です。
Twitterには、朝から既に、「天空の城ラピュタ」がトレンド入りしていました。
ただ、「バルス」は入っていません。
皆さん、来るべき「その時」まで、温存中でしょうか。

バルス祭といっても、前回は失速しました。
公式がしゃしゃり出てくると、ファンは引いてしまうというのは、本当に、その通りだと思います。
なので、もう、ブームも下火なのかもしれませんが、それでも、かなりの人数の方々が、今夜は、バルス祭で楽しむのではないでしょうか。
私も、バルスしようと思います。
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