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2022年12月04日

麻雀やパチンコができる介護施設

デイサービスに行きたくない、という高齢者が多いなか、麻雀やパチンコが楽しめる、異色のデイサービスが、登場しています。



東京・町田市にある「デイサービス ラスベガス」のフロアには、5卓の全自動麻雀卓があり、20人近くの、高齢者と、スタッフが、麻雀をしています。
壁際には、9台のパチンコ台が並び、パチンコや、スロットに興じている人たちも、います。

デイサービス ラスベガスは、2013年に、東京・足立区に1号店を出し、現在は、関東を中心に、全国22店舗を展開していますが、なぜ、介護施設と、ギャンブルが結びついたのでしょうか。

きっかけは、現在、運営会社の社長を務める、森薫氏が、アメリカへ、高齢者の暮らしの視察に行った際に、訪れた、本場ラスベガスのカジノでした。
カジノのお客さんは、高齢者ばかりで、杖をついたり、車いすでしたが、とても楽しそうでした。
カジノに行くようなテンションで、デイサービスに通えるようになったら、意欲的に通ってもらえるのではないかと考えたのです。
役員会では、大反対にあいましたが、「失敗したら責任を取るから」と、この事業を始めました。

いわゆる"従来型"の施設では、塗り絵・折り紙・ペットボトルボーリング、お手玉といった、アクティビティーが多く、特に男性は「やりたくない」「行きたくない」と感じる人も多いのだといいます。
そんななか、麻雀や、パチンコができるラスベガスは、従来型の施設に比べて、男性の比率が高いです。

そして、一般的なデイサービスとの違いは、ギャンブルだけではありません。
送迎車は、黒いワンボックスカーで、「Las Vegas」と、金色の文字が入っています。
介護事業者の送迎といえば、白いワンボックスに、〇〇デイサービスといった、事業者名が入ったものが、大多数ですが、黒を選んだのは、かつて、従来型の施設で受けた、利用者からのクレームがきっかけでした。
「そんな事業者名の入った白い車で来たら俺が介護施設に行ってるのがバレるだろう」と、怒られたのです。
デイサービスに通っていることを、近所の人に知られたくない、という人も多いことから、シンガポールで、カジノとホテルの間を送迎する、黒いワンボックスを真似て、介護施設感を消しました。

また、病院のようになりがちな内装には、シャンデリア風の照明を、設置しました。
従業員の服装も、旅行気分になれるような、キャビンアテンダントの制服をモチーフにするなど、介護施設を感じさせず、楽しく過ごしてもらえる場所を目指しています。

始めた当初は「介護保険、税金を使ってこんな遊びをするなんてけしからん」という批判もありましたが、税金を使っている以上、結果を出す、利用者の要介護度や、生活の改善につなげるよう、努力しているといいます。

麻雀やパチンコをするには、ゲーム料を支払わなければいけません。
ここでは、本物のお金ではなく、「ベガス」という、施設内通貨を使用します。
毎日行われる機能訓練(体操・ストレッチ)に参加すると、ベガスをもらえます。
そのため、あまり体を動かしたくないという人も、ゲームをするために、自発的に、運動に参加しています。

また、麻雀やパチンコに勝てば、ベガスを増やすことができるほか、
▼みんなの前でストレッチする
▼1か月休まない
▼前より元気になったと感じる(自己申告)
といったことでも、ベガスをもらえるシステムになっていて、たくさん稼いだ人は、表彰されます。
1回の体操でもらえる額は、1万ベガスです。
2021年、1位の人は、1億461万ベガス獲得したといいます。

当初は、利用者が、ギャンブルにのめり込まないか、心配の声もありましたが、むしろ、健康が促進されたとの声も多く、ギャンブル依存症になった人も、いませんでした。

利用者は、次のように話しています。

「他のところに行っていたが面白くなかった。
体操やリハビリとかばっかりで。
麻雀できるからここにしようって。
ここは楽しい。他の施設には行きたくない」
71歳(週2回3年ほど通所)

「麻雀はここに来るようになってから上手な人を見て覚えた。
結構頭の体操になる」
(週2回2年ほど通所)

「麻雀は好きじゃないからパチンコをしている。
娘が四六時中僕のことを見てるのは大変だからね。
あんまり娘に迷惑かけちゃいけないと思って来ている」
86歳(週2回半年ほど通所)

元々麻雀やギャンブルが好きで、通うのが楽しくて楽しくて、という人もいれば、仕方なく来ている、という人もいます。

「本心は皆さん来たくないんですよ。
でも、介護が必要になってしまったときに妥協ラインでここだったらしょうがねーなー、っていう感じで来ていただけるところでもあると思うので。
ノリノリの方も仕方ねーって方も、来た以上は少しでも楽しく過ごしてもらいたい」
森社長

ラスベガスは、従来型には収まらなかった、利用者のニーズを捉えたとも言えますが、森社長は「ここがいい、他はダメ、というのはまったくなくて、選ぶのは利用者だ」といいます。
実際、従来型を求める人もおり、同じ運営会社で、従来型のデイサービスの運営も行っています。
選択肢があることが、この国の幸せであり、自らの選択、自らの意思で通えるようなサービスを作り上げたいとのことです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


確かに、折り紙を出されて、喜ぶ人はいません。
幼稚園児じゃあるまいし。
体操って、ただ腕をぐるぐる回して、何が楽しいの?
これでは、デイサービスに行きたくないのも、当然です。

でも、パチンコにせっせと通う人は多いので、デイサービスに行ったら、パチンコができるというのは、いいアイディアだと思います。
ギャンブル依存症の心配がないのなら、問題ないのではないでしょうか。
また、パチンコは、1人で遊びますが、麻雀は、対人ゲームなので、会話をする、そこから、交流が生まれます。
「頭の体操になる」というのは、本当だと思います。
囲碁や将棋も、あったらいいんじゃないですか?
ギャンブルだと、逆に、引いてしまう人もいるでしょうし。

親には、「ボケずに」長生きしてほしいので、こういう施設の存在は、重要だと思います。


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